【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第72章 黒く、暗く
もう二度と危ない目に遭わせない。
そして、サラに伝えたいことがある。
それを目を覚ましたら伝えよう。
サラの手を握ってそう思ったときだった。
握られた細いサラの指がピクリと動いたと思えば、次に眉がかすかに動き、サラが目をゆっくりと開けた。
「ん…」
「サラ…!!」
俺がサラを呼ぶ声に反応して、周囲にいたジョディ、キャメル、ジェイムズ、コナンくんが一斉にベッドの周りに集まってくる。
「サラさん!」
「サラちゃん!良かった!気が付いたのね!」
サラはぼんやりと俺を見つめると、ゆっくりと目線を動かし、視界に入った人間の名前を、ぽつりぽつりと呼んでいく。
「…ジョディさん…キャメルさん…」
どうやら意識がはっきりしてきたようで、朧げに見えた表情もだんだん瞳に力が入ってくる。
「ジェイムズさん…それに、コナンくん…」
そして、再び俺とサラの視線が重なった。
俺の好きなこの声で、赤井さんと呼ばれるのを心待ちにしていた俺。
けれど次の瞬間、俺は一気に谷底に突き落とされることになる。
「…それと……だれ?」
「え…?」
「サラちゃん?秀よ?もう、冗談キツイ…」
「…?初めまして…ですよね?」
神様は
俺が思っているよりずっと残酷だった。
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