【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第70章 悪魔の再会 ☆
FBI…!?赤井さん!
こんなところ、赤井さんに見られたくない。
赤井さんにだけは知られたくない
今、赤井さん会ったらわたし自分を保てる自信がない。
咄嗟にそう思ったわたしは、電話に気を取られて一瞬隙を見せたジンを殴り飛ばした。
ドカッ
「っ…!」
そしてジンがよろけた瞬間、ホテルの部屋から逃げ出し、一目散に走った。
ホテルの長い廊下の先には非常階段への扉が見える。
あそこから、外に逃げよう。
脇目も振らず走り抜け、非常階段のドアノブを掴んだわたし。
逃げられる…
そう思ったとき
「ジェーン!」
後ろを振り返ると、ジンがこちらへ銃口を向けていた。
パァンッ
まるであの時みたいだ…
なんて、呑気にそんなことを思っているわたしの右肩を、ジンの放った弾丸が撃ち抜いた。
血が吹き出す匂いがする。
腕が一気に熱くなるのに、痛みはなぜか感じない。
逃げなきゃ…
逃げなきゃ…
それだけ頭の中で繰り返して、必死に非常階段を駆け降りるわたし。
その時ふと思った。
赤井さんに合わせる顔がないのに、逃げるってどこに…?
わたしが逃げ込める場所なんてあるの…?
その瞬間、階段を駆け降りる足を踏み外し、視界が揺れた。
ガクッ…
「やば…」
ズザザザザ…ッ
気付けばの身体は、脚を滑らせて3階から1階まで一気に転落していた。
頭から温かい何かが顔を伝ってこぼれ落ちた。
それが自分の血だと認識したと同時に、視界が真っ暗になりわたしはその場で意識を失った。
次に目を覚ますと、世界が一変しているとは夢にも思わずに…
「赤井さん…」
Next Chapter...