【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第69章 守りたい人 ☆
「それにしても、わたしを狙っていた人物って誰なんだろう…
どうして今更…あの組織の情報なんて、わたしは全くと言っていいほど持ってないし、わたしを狙うメリットなんてほとんどないのに。」
そんなことを考えながらエレベーターのボタンを押し、エントランスへ向かうために1階に降りようとしたときのことだった。
同じタイミングでエレベーターに5人の男が乗りこんで来て、わたしを取り囲むようにして立った瞬間エレベーターのドアが閉まった。
全員、サングラスで顔を隠し、スーツを着込んでいる。
明らかに異様な光景に、わたしは思わず身構え、ごくっと喉を鳴らした。
これは…マズイかも…
そう思った通り、そのうちの1人の男の両腕が後ろから伸びてきて、わたしをガッと羽交締めにした。
突然で驚いたものの、それを難なくするりと抜け出したわたしは、その男の顎を蹴り飛ばす。
ガタンッ
その男が壁に体を打ちつけた時、エレベーターの箱が大きく揺れた。
「あなたたち、何者??
あの組織に雇われた殺し屋か何か?」
そう言って、次の男を倒そうとした瞬間、わたしの脚にナイフが刺さった。
グサッ…
「っあ…」
不意打ちの痛みに身体がよろけた瞬間、薬品を含ませたハンカチで顔を覆われ、わたしはその場で意識を失った。
コツコツ…と靴音が遠くから近づいて来るのが聞こえ
そして
遠くの方で、声がした。
「ご苦労」
誰…
あかいさ…
たすけて…
わたしの声は、赤井さんに届くことはなかった。
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