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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第1章 出逢ってしまったふたり




スーパーでの買い物を終え、工藤邸に帰る前に
銀行に寄ることになった。


「君はここで待っていますか?」


車を銀行の駐車場に停め、車から降りた沖矢さんが聞いた。


「ううん。わたしも行きます」


1人で車で待っていても暇だし。
そう言いながらわたしも沖矢さんと一緒に銀行に入った。

ソファーに座って用事が済むのを待っていると、
男が5人、同時に連れ立って入ってきた。

5人で銀行って来るものなの?
そんな風に思いながら彼らをジーッと観察していると、
ボストンバッグの中から黒い覆面と、銀に光る何かを取り出した。


「まさか…」


わたしの予感は的中した。
男たちは覆面を被り、手に握られた拳銃を勢いよく上に向かって発砲した。


パァン!!


突然の大きな破裂音に、何が起こったのかわからず客は瞬く間にパニックに陥る。

キャーーと叫びながら出口に向かう人
頭を抱えて床に伏せる人

男達がわたしのいるソファーの方へ近付いてきた時、
カウンターにいたはずの沖矢さんが
わたしの肩を守るみたいに抱き寄せた。

ドクンと胸が鳴って、沖矢さんを見ると


「5人か…」


彼はそうポツリとこぼした。


「おい!!お前ら!静かにしろ!静かにしないと殺すぞ」


騒ぐ客達は、男達のその怒声にびくっと方を震わせ、
ガタガタ震えながらその場に座り込んだ。


「1人、お願いできる?」


わたしはそう言って沖矢さんの腕の中から、
するりと身をかわした。


「おい。待て」


そう言って止める沖矢さんの声を聞かなかったふりをして
わたしは男達に気づかれないよう、かがみながら彼らのいるカウンター内に近づいた。

4人なら、何とか行けるか。


「おっと」

ガタンッと男のうちの1人が、机にぶつかった拍子に拳銃を床に落とした。

今だ。

わたしは拳銃を拾おうとするその男の背後に近づき、
後ろから首の関節を外した。


「っぐお…」


一瞬の出来事で何が起こったかわからないというように、男は呻き声を上げてその場に泡を吹いて倒れた。
男の落とした拳銃を手に取ると、今度は2人目の男の、拳銃を握る手の甲を撃ち抜いた。

パァン!
という破裂音がして、客達がまた悲鳴をあげる。


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