【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
赤井さんのベッドは、赤井さんの匂いで溢れてる。
朝目が覚めても、その匂いを嗅いでもう一度眠るのが最近のわたしのマイブームだ。
すんすんと鼻を啜ると赤井さんの匂いがして、それが物凄く幸せで、わたしは思わず布団の中で「ふふふ」と笑みをこぼす。
そんな風にゴロゴロ寝ているわたしの布団を誰かが剥ぎ取った。
「こら!サラちゃん!いつまで秀ちゃんの匂い嗅いでるの!」
「有希子さん!!!」
そうか今日は有希子さんが帰ってくる日だった。
慌てて起きたわたしは隣にいるはずの赤井さんを確認するが、もうベッドの右横は空っぽになってた。
「秀ちゃんなら、今変装中よ。
んもう。当然のことみたいに同じベッドで寝ちゃって!」
「あれ?今日何かあったんでしたっけ?」
「今日は、ミステリートレインに乗るのよ!」
「ミ、ミステリートレイン…?」
何そのファンタジックな名前は…。
わたしがそう思ったことがまんま顔に出ていたらしく、有希子さんは不思議そうに聞いた。
「あら?秀ちゃんから聞いてない?」
「いえ…。」
何?そんな重要なイベントなの?
「当然です。言ってませんから」
沖矢さんが変装を終えてリビングにやってきた。
当然のように、言っていませんが何か?という感じでこちらを見てくるから、わたしは思わず声をあげる。
「なに?わたしも行く!」
「駄目だ。」
「どうしてよ!」
「ベルモットが来る可能性があるのに、お前を連れていけない。」