【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第64章 満月の夜なら ☆
ピピピッ…ピピピッ…
「んー…」
いつものアラームが頭上に響き、わたしは唸り声を上げながらスマホを手に取った。
案の定、起きる時刻だと悟ったわたしは、慌てて身体を起こそうとしたけれど、赤井さんがわたしの身体をがっしり抱きしめながら眠っている。
「お、起き上がれない…」
どうやらわたしが眠っている間に帰宅して、わたしを抱き枕にして眠っていた様子の赤井さん。
強いて言うなら、なぜかわたしが履いていたはずのショーツが太ももの真ん中までずり下ろされているのが気になる。
「え…昨日…した…?記憶に全然ないけど…」
嘘でしょ…?赤井さんとしたのに覚えてないとかある???
と、内心パニックに陥っていると、赤井さんもむく…と身体を起こした。
「あ、赤井さん。おはよ…
あの、昨日…」
「サラ」
「?なに?」
「サラ…今日は一日、ベッドから離さない」
そんな殺し文句を言いながら、わたしの半分までずり下ろされているショーツに手をかけた赤井さん。
なんだかデジャブなこの光景。
わたしだって…このまま赤井さんと久しぶりの甘い時間を一日中過ごしたい…過ごしたいけど…
「だめっ…!」
「…だめ…?」
「うん!今からポアロの支度していかなきゃ!」
彼の目を見てそう言うと、クールでポーカーフェイスな表情がだんだん崩れていくのが見てとれた。
赤井さんはさらにダメ押しでもう一度尋ねてくる。
「………だめ?」
「だめ」
「ダメか……はぁぁあ…」
ガクッと頭を下げた赤井さんには申し訳ないと思いつつ、わたしはいそいそとバイトに行く準備を始める。
結局、赤井さんの欲求不満はまだ解消されず、シテない期間はさらにさらに伸びていくのであった…
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