【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第8章 恋をしたのは☆ ♪
シャワーの後、髪を乾かすとバスローブのまま赤井さんの部屋に向かった。
先にシャワーを浴びた赤井さんは、すでに上半身裸にデニムという状態で、ベッドの上でスマホをいじっている。
「赤井さん」
「ん?」
「さっきの、答えまだ聞いてない。」
赤井さんが待つベッドに腰掛けて、赤井さんの目を見ながらもう一度聞いた。
「宮野明美さんのこと、まだ好き?」
「さっきも言ったが、俺はお前が
「でも、男の人は同時に何人も愛せるじゃない」
赤井さんの言葉を遮って、わたしはつい声が大きくなる。
心の奥に根付いているトラウマでもあり、罪悪感でもある。
わたしに愛をくれながら、他の人を愛してたあの人を思い出してしまう。
赤井さんはため息をついて、そんなわたしの髪を撫でながら言う。
「お前は、一ノ瀬タクミのことをまだ好きなのか?」
「え…」
タクミのことは、忘れられない。
きっとこれからも、何かしらで思い出す。
好きじゃないか? と聞かれたら いいえ。と答える。
けれどそれは愛じゃなくて、ただ、忘れてはいけない十字架のようなものだ。
赤井さんへの気持ちと全然違う。
「俺にとっての宮野明美もそうだ。」
わたしは言葉に出していないのに、わたしの思考を見透かしたように赤井さんが言った。
わたしは赤井さんの上に跨り、思い切り抱きついた。
「…今日はずっとくっついていたいです」
「お前は、甘える時は敬語になるよな」
フッと笑って、赤井さんはわたしにキスをした。
わたしの長い髪が赤井さんにかかり、赤井さんは指でわたしの髪を耳にかけた。
そしてわたしの頬に手を添えて、御託を並べるわたしの口をキスで塞いだ。
「ん…」
一度は軽く。二度目は少しだけ長めに、そして三度目のキスは舌が絡む。
「んっ…ァ」
いつもは上にある赤井さんの顔が、今はわたしが上に乗っているから下にあって新鮮だ。
わたしも赤井さんの真似をして、彼の頬に手を添えながらキスに応じた。
「赤井さ…ッ…す…き」
キスをしながらそう言うと、赤井さんは、ふーと息を吐いてより奥まで舌を絡めてくる。
だからもっとたくさん好きって言いたくなる。
「安室くんに、何された?」
キスの途中、不意打ちでそんなことを聞かれて、わたしは思わず挙動不審になる。
「えっ?!」