【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第61章 永遠の不在証明 -前編- ☆
ある日の午後。
ポアロのバイトが休みだったわたしは、工藤邸におじゃまして有希子さんとアフタヌーンティーを楽しんでいた。
「それにしても、リニアが開通したら東京から名古屋まで25分で行けるようになるなんて、時代も変わったわねぇ」
「ですよね!ほんと、在来線に乗ってる時間感覚…
名古屋のひつまぶしが食べたくなったらすぐに食べに行けますね!」
「サラちゃん…あなた相変わらずね…」
テレビでやっているニュースを見ながら、そんな話をしているわたしたち。
どのチャンネルも、もうすぐ開通するリニア、そしてWSG東京の話題で持ちきりだ。
かたや、それぞれのパートナーはと言うと、優作さんは2階の書斎にこもって締め切り間近の原稿とにらめっこ。
沖矢さんはいつもどおり自分の部屋で阿笠邸の偵察(というか盗聴)
そんな二人がいる2階をじろ…とにらみながら有希子さんが愚痴をこぼす。
「秀ちゃんも優作も、ちょっとは休憩してアフタヌーンティーに参加すればいいのに」
「赤井さんが、のんびりスコーン食べて紅茶飲むところ想像できないですけどね…」
「まぁ、それもそうね…」
と、ティーカップを口に運ぶ有希子さん。
そんな有希子さんに、わたしは前から気になっていたことを尋ねた。
「有希子さん。」
「なあに?」
「優作さんのご両親とは仲良しなんですか?」
「ブッ!!」
わたしの突拍子もない質問に、思わず吹き出した有希子さんはゴホゴホと咳き込みながら笑った。