【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第8章 恋をしたのは☆ ♪
工藤邸につくと、沖矢さんは素早く自分の変装を解いて、赤井さんに戻った。
そして、中に入って玄関のドアを閉めた瞬間、わたしを力一杯抱きしめた。
「…サラ…サラ」
何度も何度も名前を呼んで、まるでわたしが生きてるのを確かめるみたいに。
ずっと気を張ってたわたしは、赤井さんの腕の中でホッとして、涙が溢れた。
「変なの。今までどんな危険な任務でも怖いと思うことなかったのに。二度と赤井さんに会えなくなると思うと、怖かった…」
溢れる涙を赤井さんの指が拭う。
なんてあったかいんだろう。
たとえ今日が最後になっても、一生忘れないと思う。
「宮野明美さんのこと、まだ好きなんでしょ?」
伝えたいことがある。
そう言われていたことを、赤井さんから聞くのが怖くて、つい先手を打ってしまう。
ピクッと体を反応させても赤井さんは何も言わない。
正直に言ってくれていいのに。
わたしは赤井さんからグッと身体を離した。
涙で赤井さんの顔がちゃんと見えない。
どんな顔をしているのか、わからない。
「辛いよ…こんなの」
そう言ってまた新しい涙が流れた時、また赤井さんがわたしを腕の中に閉じ込めた。
「やっ…!」
「サラ。お前はそうやって、俺にちゃんと弱いところを見せてくれる。
俺はお前の弱い部分をたくさん知っているから、心配なんだ。」
「そんなの…」
「大事なお前に、かすり傷ひとつ付くのが許せない。
俺が見てるのは他の誰でもない、サラだ。」
赤井さんがわたしの涙をまた拭う。
視界がはっきりして、赤井さんの瞳と目があった。
「好きだ。俺は、お前が好きだ」
「う…そ…」
放心状態のわたしに、赤井さんは自分の唇を重ねた。
「ん…ッ」
何度も角度を変えて、長い口付けを交わす。
好きだ という言葉が、わたしの頭の中で何度もリピートして再生される。
「返事は?」
赤井さんがわたしの瞳を覗き込んで聞く。