第58章 Shape of you ☆

俺がそう言うとキャメルは5秒ぐらい時が止まった後、オーバーリアクションで俺に詰め寄る。


「えぇえ？！み、見ないって！正気ですか？！」

「俺にはサラがいるからな。
見る必要ないだろ。」

「いや、それとこれとは別ですよ！！
赤井さん！
毎日毎日ステーキばかり食べられますか？！
たまには魚やパスタを食べたくなるでしょう？！」

「…何を言っているんだお前は」

「ですから！私から魚やパスタのプレゼントだと思って！はい！」


と言う全く持って意味のわからないことを言いながら俺にAVを押し付けてくるキャメル。


「…そう言われてもな。
俺はサラにしか興奮しない」

「それは病気ですよ、赤井さん！」

「びょ…」


いつになく真剣な顔でキャメルが語りかけてくる。
下手すれば仕事中よりも真剣な表情だ。

まあ、確かにそうだな。
何度も思ったことがある。
サラが好きすぎる病気だ。


「赤井さん。
もしサラさんと結婚して、子供が生まれたら、今までのように抱かせてくれると思ってますか？
100%夫婦の営みって減りますよ！
だからこそ！サラさん以外でも抜けるようにならないと！」

「お前、子供どころか独身のくせに何を…」


呆れて言い返そうとした時、リビングのドアをコンコンッとノックする音が聞こえた。

ハッと振り返ると、ジョディがジトーっとこちらを見ながら立っている。


「ちょっと！抜くとか抜かないとか何の話してるのよ」

「じゃあ、赤井さん！
感想聞かせてくださいね！」


どさくさに紛れて、キャメルが俺にそれをグッと押し付けてきて、俺は仕方なくその誕生日プレゼントを受け取るハメになった。

まぁ、誕生日プレゼントといってせっかくくれたしな…

だが、見るのはサラに悪いし見たところで
サラの方が可愛い。
サラの方がエロい。
サラの方がソソる。
と、結局サラが最高だと再認識するだけだ。

キャメルには悪いが、見たふりをして好みじゃなかったと返そう。

そう思いながら俺もキャメルと一緒に帰り支度を始めた。


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