【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第51章 HANABI ☆
夏の終わりがやってきた。
8月のこの茹だるような暑さも、あと2週間で終わり。
ポアロのバイトを終えスマホを見ると、有希子さんからLINEが来ていた。
「バイトが終わったら、うちに寄ってねん〜」
それだけ書いてある。
珍しいな。有希子さんがわたしに連絡してくるなんて。
なんだろう?いつものおすそ分けかな?
有希子さんからはよく戴き物のお菓子や、フルーツなどをよくおすそ分けしていただく。
大抵沖矢さんがそれを受け取って帰ってくるんだけど…
なんだろう。沖矢さんには渡せないお裾分け?と、図々しくもウキウキしながら工藤邸に向かった。
初めて赤井さんと一緒に暮らし始めたこの工藤邸。
ピンポーンとインターフォンを鳴らすと、中から有希子さんの声がした。
「はーい!サラちゃんね?入って〜」
そう言われ、わたしはこの立派な門を開け、玄関から家の中に入った。
すると、パタパタと有希子さんが走ってきてわたしの腕をぎゅっと掴む。
「いらっしゃーい!
待ってたのよ」
「有希子さんお久しぶりですー!
あれ?赤井さんは?」
「さっき変装解いて、家に帰ったわよ〜。
サラちゃん、こっちにきて」
「?」
有希子さんに手を引かれるままついていくと、応接間に浴衣がハンガーでかかっていた。
「浴衣…」
「今日ね、米花町の花火大会があるのよ?
サラちゃんの家のバルコニーからも見えるはずだから、
浴衣着て、秀ちゃんと一緒に見たら?」
そう言ってウインクする有希子さん。