【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第50章 Today was a fairytale ☆
俺がバサッと資料を広げてそう言うと、ジョディもキャメルもコホンと咳払いし、気を取り直して椅子に着席する。
「例の組織の話だが…」
俺が真面目に仕事の話をしようとしたとき、俺のスマホが鳴った。
画面を見るとサラからだ。
珍しいな…仕事中に電話をかけてくるのは。
基本的に俺の仕事の邪魔をしないようにか、いつもメッセージなのに。
「ちょっと悪い。
…もしもし?どうした」
キャメルとジョディに一言断った後電話を取る俺。
そのたった一言で、電話の相手がサラだとジョディもキャメルも気付く。
サラに話しかけるときは、声が甘くなるらしい。
自覚はなかったが。
受話器からはサラの可愛い声が聞こえた。
「あ!よかった!繋がったー!
赤井さん、わたしが借りた少女漫画どこにあるか知らない?
昨日リビングに置いてたはずなんだけど無くて…
今日返さないといけないのに」
「あぁ。それなら、全巻まとめて紙袋に入れて、忘れないように玄関に置いておいた」
「え?ほんと?
…ほんとだ!あった!
まさか玄関にあると思ってなかったー!」
「悪いな。今日の朝に伝え忘れていたよ」
「ううん。大丈夫!ありがと。
でも、何で赤井さんが玄関に…?
…もしかして!!絶対読まないとか言っておいて、夜中にこっそり読んでたの??」
「…切るぞ」
「えー!なんで!赤井さんー!
どうだった?ね?似てたでしょ?赤井さんに!!
ねぇ!!」
プツッ
またジョディとキャメルが俺の顔を見ながら笑いを堪えているようだ。
そして限界が来た2人はまた揃って俺を指差し大爆笑を始める。
「あははははは!サラちゃんに読んだことバレたの?ふふふ」
「っジョディさん、笑っちゃ赤井さんに悪いですよっ…ぷくくく…」
この日を境にしばらくの間、俺はジョディとキャメルと顔を合わせるたびに、これをネタにおちょくられるようになった。
もう絶対に少女漫画は読まない。
そう固く誓った夏の終わりだった。
Next Chapter...