【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第50章 Today was a fairytale ☆
「と…尊い…」
わたしは震える手で漫画を見ながらポツリとそうこぼした。
なに!!?このカップル可愛すぎでしょ!?
好き同士なのに早く告白しなよーー!!
年の差なんて、好きなんだから関係ないのにーー!!
またもやわたしは、あっさりとその漫画の沼に落ちた。
内容は蘭ちゃん達が言っていた通り、教師と女子高生の純愛もの。
なんとその年の差は8歳で、わたしと赤井さんと同じ。
更に言うと、「先生」のキャラが赤井さんにそっくりなのだ。
クールで無愛想で、タバコと缶コーヒーが好きな古典の教師。
超絶イケメンで、女子生徒から大変人気だそうで、かたやヒロインの女の子はどちらかというと目立たないグループにいる女の子。
「わたしと赤井さんだ!!!」
漫画を読みながらそう思ったわたしは、完全に感情移入してしまい時間も忘れて読み進めていた。
やばい…めちゃくちゃキュンキュンする…
蘭ちゃん達が言った通りだ。
これ、明日からドラマ始まるんでしょ?絶対観る。
そう思い、TVの録画もバッチリ完了し、またソファーに転がってページを捲る。
5巻あたりまで読み終えた頃、ガチャガチャっと玄関が開く音がした。
あっ。赤井さんが帰ってきた!!
そう言えばドキメモを借りた時は赤井さんが帰ってきたことすら気づかずに熱中していた。
それに比べたら成長した方だ。
今日はちゃんと赤井さんが帰ってきたことに気づき、漫画にしおりを挟んだ。
そして漫画を置いて、玄関までお出迎えに走る。
「おかえりなさいー!」
「!?…た、だいま」
ドアを開けてすぐわたしがいたことに赤井さんは心底驚いたように目を見開いて、数秒固まった後返事をする。
「?どうしたの?」
「いや、てっきり寝ているのかと」
そう言いながら、赤井さんはわたしの頭をぽんぽんと撫でた。