【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
会場に着くと、わたしは沖矢さんの腕に手を回して中に入った。
この近くに、すでにジンとウォッカもいるのかもしれない…
そう思いながら、わたしはぎゅっと腕を組む力を強めた。
「大丈夫ですよ。」
「え?」
「僕がいる」
まるで、わたしの心を読んでいるみたいだ。
沖矢さんに手を引かれ、わたしたちはオークションが開かれる大ホールに入った。
高級スーツをビシッと着ているビジネスマン風の男性、
わたしが着てるドレスのようなイブニングドレスを着た女性、
使用人を携えた車椅子の老人
中には10代?と思うほど若い人もいる。
どれもこれも、怪しく見えてくるな…
目線だけ左右に動かして辺りを観察していると、耳につけてるイヤホンマイクからジョディさんの声がした。
「秀。サラちゃん。
いい?怪しい人物がいたら、その人の番号を教えて。」
オークション会場ということで、みんな胸に番号をつけている。
わたしと沖矢さんも受付をするときにもらったものだ。
「最終的に、例のプログラムを手に入れるやつを注視すればいい。
それより、FBIだと気づかれないよう、他の出品に何度かエントリーしよう。
落札しない程度にな」
「了解よ」
なんか、よく考えるとこんなふうに赤井さんの仕事を間近で見るのは初めてだ。
いつも、現場ではこんな風に仕事してるんだ…
「サラ?」
「へっ?!」
「どうしたんですか?ニヤニヤして」
「べ、別に?」
まずいまずい、かっこいいなーってときめいてたことがつい顔に出ていたみたいだ。
真面目にやらないと。
そう思った時、ちょうど会場が暗転し、オークションが始まった。