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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第46章 HAPPY BIRTHDAY ☆




同じ時刻



ポルシェ356Aは日本の首都高を走っていた。


「明日の手筈、すでに整えましたぜ、兄貴」

「あぁ。」


運転席に座って愛車を転がすジンに、ウォッカが不敵に笑った。


「それにしても、例のプログラムがオークションに出されるとは、想定外でしたね。」

「手っ取り早い。金さえ払えば手に入れられる」

「ですね。…そう言えばあのプログラムのβ版、ジェーンの最後の任務の時の獲物でしたね」


ジェーン

と言う名前を聞いて、ジンの眉がピクリと動いたとき、
後部座席に座っていたベルモットが口を開く。


「ジェーンはジンが殺したんでしょ?
せいせいしたわ。
あの子がいるうちはジン、全然抱いてくれなかったもの」


「ええ。兄貴が肩を撃ち抜いてそのまま海へ真っ逆さま」


「奴は生きてるさ」


タバコの煙を吐きながら言ったジンの言葉に、ウォッカもベルモットも驚いてジンを見た。


「…奴はそんなに簡単に死ぬ女じゃない。
俺が一番よく知っている」

「…なら、どうして彼女を探さないのよ!?
シェリーのことはあんなに必死に探しているのに」

「…ジェーンが持っている俺たちの情報はたかが知れてる。
それに、奴は俺たちに捕まるようなヘマ、まずしない。時間の無駄だ」

「あら、相変わらず、随分お気に入りなのね。
ジェーンが。」


「フン…」


お気に入りと言われ、肯定も否定もせずに鼻で笑ったジン。

そんなジンを不服そうに見るベルモットとは対照的に、ウォッカが無意識に焚き付けるようなことを言う。


「そう言えばジェーンも日系でしたよね。
今回しばらく日本に滞在するわけですし、偶然、会うこともあるかもしれませんぜ。」


そのウォッカの言葉に、ジンはまた少し笑った。
信号待ちで車を止め、目を閉じて記憶の中にいる「お気に入り」に想いを馳せたあと


「…その時は、俺の手で奴を殺してやるよ。
今度はちゃんと、心臓を撃ち抜いて。な…」


そう不敵に笑った。


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