第46章 HAPPY BIRTHDAY ☆

赤井side


いつも通りサラをバイトに見送った後、俺は工藤邸に来た。


「あら。秀ちゃん。おはよう」

「おはようございます」


最近有希子さんは出掛けていることが多く、会うのは久しぶりだ。


「秀ちゃん…見たわよ〜サラちゃんの右手薬指！
もー！独占欲強いんだからっ！」


ウリウリと膝で俺を小突きながら、有希子さんは楽しそうに俺をからかってくる。


「めざといですね」

「サラちゃん、嬉しそうだったわよ♪」


そう言われると、からかわれたのも許してしまいそうになる。

その時、俺のスマホの着信音が鳴った。


「ちょっと失礼」


そう言って画面を確認すると、ジェイムズブラックと表示されている。


「もしもし」

「あぁ、赤井くん。
今からそっちに行っていいかな？
渡したいものがあってね。
ついでに話もしたい」

「あぁ…構いませんが…」

「そうか。
じゃああと30分ほどでそちらに到着するよ。」

「えぇ。わかりました。」


何だ？渡したいものって。

まるで検討がつかず、俺はジェイムズが工藤邸に到着するのを待った。