第45章 A Whole New World ☆

翌朝


目を覚まして隣を見ると、サラが器用にくまの耳をつけたまますやすやと寝息を立てている。

どうやら眠りながら無意識にカチューシャを自分でつけたらしい。

夢の中ではまだネズミーシーにいるんだろうか。


「サラ…」

「しゅ…いちしゃ…」


か、可愛すぎる…


俺は思わずベッドサイドに置いてあった自分のスマホを手に取り、サラにカメラを向けた。


そして、くまの耳をつけながらすやすやと眠る俺の可愛い彼女を写真に収める。


カシャッ


「んー？？」


シャッター音が思ったより大きく、サラが目を擦りながら起き上がった。


「なにー、今の音ぉ」

「…？何の話だ？」


「えー？まぁいいや。シャワー浴びてくる」


とぼける俺を見てサラは不思議そうに首を傾げるが、すぐに自分が昨日シャワーを浴びなかったことを思い出し、ノロノロとベッドから浴室に向かった。

昨晩、俺がちゃんと洗ってやったことは覚えていないらしい。


俺はまたこっそり自分のスマホを眺めた。


くまの耳をつけてすやすやと無防備に眠る俺の最愛の女がそこに写っている。


これ見るだけで、何でも乗り越えられそうな気がするな…
そんなことを思いながら。


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