第45章 A Whole New World ☆

好き…今すっごく、好き…って思った。

わたしはベンチの周りに誰もいないことを確認して、ゆっくりと赤井さんの唇にキスをした。

コーヒーの味が少しする唇

赤井さんは驚いてわたしを見た。


「…珍しいな。
お前から外でキスをしてくるのは」

「…したかったから」

「可愛い…サラ…もう一回してもいいか？」

「…したい…」


してもいいよ。じゃなくて、したい。

赤井さんはわたしの肩に回していた腕で髪を愛しそうに撫でた後、抱き寄せるようにしてわたしの唇を奪った。


「ん…っ」


思わずわたしから吐息混じりの声が漏れ、赤井さんがわたしを見つめながら唇を離した。


「甘い」

「…チュロス食べてたから…いやだった？」

「いや…好きだ…サラの味はいつも甘いから」


こんな場所でイチャイチャしてるの、側から見たらすごくウザいだろうな…

でもそのぐらいお互いして見えてなくて、それがすごうれしい。
赤井さんの目にわたししか映っていないのがものすごく。


「じゃあ、それ食べたら行くか」

「うん！次はどこ行く？」

「…アラジンに会いたいんだろ？」

「会いたい！！」


そうそう今日来た重要なミッションのひとつ、アラジンに会う。これをすっかり忘れていたわたしは、急いでチュロスを食べた。

赤井さんは優しくわたしを見ながら、若干複雑そうな顔をして、わたしの手を引いた。


「言っておくが、会えるか会えないかは運次第だ。
会えない日もあるらしいからな」

「大丈夫！わたし運だけはいいから！」


そんなことを言いながら、喜んで赤井さんの手を握ってアラジンに会いに向かった。