第45章 A Whole New World ☆

赤井side


タワー・オブ・テラーから降りるころには、サラはすっかり上機嫌に戻っていた。

あんなに怖い怖いと言っていたのに、いざアトラクションに乗り込むとスリルを思いっきり楽しんでいるところがサラらしい。


「楽しかったねー！」


ご満悦なサラは、アトラクションを出たところに併設されているショップを見つけると、嬉しそうにそちらへ走って行った。


「ねぇ！赤井さん！見て！」


嬉しそうに手招きをして俺を呼ぶサラ。

俺がそっちに行くと、サラはそこにあった耳のついたカチューシャを付けて言った。


「ね、似合う？」


おそらくサラは、似合わないからやめとけ。待ちだったんだと思う。

が、それを付けたサラは思いの外可愛くて、俺は思わず照れた顔を見られないように口元を手で覆った。


「赤井さん？」

「…いや、…可愛い」

「えっ！」


予想外の回答が来たのか、サラまでボッと顔を赤くして俺を見た。

そのやりとりを見ていた秀吉カップルは、コソコソと話をしている。


「ねぇ、お義兄さん、サラちゃんにメロメロすぎでしょ」

「うん…僕も思う」


聞こえているぞお前ら…

だが、俺がサラにベタ惚れなのは隠してもすぐにバレる。
自分でもちゃんとそこは自覚してる。


「…サラ。欲しいなら買ってやるよ」

「えー…あ、じゃあ、これじゃなくて別ところで売ってたのがいい」

「そうか。」


そう言って笑うサラが可愛くて、俺は秀吉の方をクルッと向くと、サラの肩を抱き寄せて言った。