【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第7章 この夜を止めてよ☆
ジョディさんを迎えにきたのは、大柄な外国人だった。
そう言えばこの2人、以前街で肩がぶつかったことがあった気がする。
あの時も、沖矢さんの様子を見て知り合いかな?と思ってたけど、まさか元恋人なんて思いもしなかった。
はぁ…とため息をつきながらキッチンに戻ると、いつの間にか沖矢さんから赤井さんに戻っていて、今日買ったプレートにシチューを盛り付けて食卓に並べてくれていた。
「ジョディさん、帰ったよ」
「…そうか。
何ともなくて良かったな。食べよう」
ジョディさんって名前、わたし一人の時に聞いたんだよ…
ジョディさんってあの女性か?と聞かない時点で、もうバレバレだよ赤井さん。
あの人、わたしよりいくつか年上だよね。
赤井さんからしたら、わたしはまだまだ子供で、年齢だけ見るとあの人の方がお似合いだ。
あの人にも、わたしに触れるみたいに触れていたのだろうか。
わたしに言ってくれるみたいな甘い言葉を言って、おでこにキスして、それから…
「サラ?どうした」
「えっ」
「さっきから、全然食べていない」
「あ…ごめん。考え事してた。」
かちゃ…とスプーンでクリームシチューをすくって食べると、いつもの味がした。
ここに来てもうしばらく経つけど、この先わたし達はどうなっていくんだろう。
この家だって借住まいだから、家主が戻ってきたら出ていかなきゃ行けないし、そうしたらわたしたちはもう離ればなれになるの?
今日買ったマグに注がれたお茶を飲むとき、マグにプリントされた赤い糸が目に入った。
わたしと赤井さんも繋がっていれば良いのに。
そんな乙女チックなことを考えるようになったと言うことは、少なからず 望んでいた「普通の生活」が出来ている証拠だろうか。
考え事をしながら、いつのまにか出された夕食を全て平らげていた。
「美味しかった。ありがとう。
片付けはわたしがやるから、お風呂先に入って」
心配そうにこちらを見る赤井さんをよそに、わたしはシンクでぼーっと洗い物を始めた。