第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「みんな乗ったか〜?!」
「あーもう疲れたしネイルはげてっし…もう〜!!!」
「…山に来てネイルってなぁ…」
アカイは呆れたように言う。
「そのネイルいいな…」
スミレのネイルを見てアオキが羨んでいた。
「(とてもサークルメンバーが死んだ後とは思えないわね…)」
ふと視線をバルコニーの真下に移すと…
「(シラユキ…アンタが死んだせいで私はまた時効まで逃げ延びなきゃいけないわ。)」
立ち入り禁止のテープの先に、現場保存のために引かれた白線が目に入った。
「…それで…」
警察が忙しそうに現場を囲む中、話し声が聞こえてきた。私の横目にスルーする間抜けな連中だけど…。
犯人の立場として、気にならないわけがなかった。
「クロサキちゃん、はやく乗って…!」
警察の話に耳を傾けようとしてミドリに阻まれ、私は仕方なく車に乗り込んだ。
◇◆◇
「お疲れさま」
「はっ」
「遺体の様子は?」
「はい。外傷は2種類ありました。1つ目は転落の際の打撲で、こちらは致命傷に至っておりません。2つ目は頭部の打撲で、死因はこちらのようです」
◇◆◇
ピロン♪
ピロン♪
ピロン♪
「…つーかクロサキ、さっきからピロンピロンうっせーし!」
「ごめんなさい。切るの忘れてたわ」
「随分楽しそうだな」
「ええ。とても楽しいわ。こうしてみんなと一緒にいられるんですもの」
ピロン♪
騒がしい車内の中、さっきから来ている通知をスマホ画面で確認する。
「ふふ♪本当に面白かったわ。次はどんなことが起きるのかしら♪」
──裏掲示板───
投稿者:クロネコ
【馬鹿な奴らを全員騙してやったわ。なんて気分がいいのかしら!だって誰一人気付いていない!本当に甘い連中wでもいい暇つぶしになった。彼らに感謝しなくちゃ♪】
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──完…?
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