第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「ん?ベッドの中にもう一枚…。っ!?シラユキの写真がメチャクチャあるじゃない!」
シラユキが単体で映ってる写真を見つけ、私は更に引いた。
「あの盗作男…。馬鹿で短気な上にストーカーだったとは、救いようがないわ…」
カナザワが撮ったシラユキの盗撮写真を発見した。写真集が作れそうなほどの量だ。
「これは…日記?」
次に机に置かれた日記を見つける。
「意外にマメなことしてるわね…。えーと、内容は…」
『○月×日』
『買ったコーヒーを、アオキに奪い取られた。』
『あいつ、ゴキブリ入りなのを知らずに飲んだのかな(笑)』
「コーヒーにゴキブリが入ってたのを知っててアオキに渡した…」
自然と口の端が吊り上がる。
「ふーん…アオキがこのことを知ったらどう思うかしらね。使えそうなネタが増えたわ」
ふふっと笑い、日記を閉じる。
「あら?スマホの画面が開きっぱなし。ふふ、ダメじゃないカナザワ…ちゃんと確認しなきゃ」
ニヤリと笑い、スマホに手を伸ばすと、シラユキに送ったメッセージの画面が表示されている。
『頼む、試しに1週間付き合ってくれないか?』
『おーい、生きてるー笑』
「…吐き気がする。なんなのあの男。」
当然シラユキは未読のままだ。
「女の子はみんなドン引きよ…」
今すぐにでも画面を叩き割りたい。でも我慢よ。さて…カナザワが戻ってくる前に部屋を出なきゃ。
「きっと今夜、みんなが集まった時にカナザワは私が犯人と言うつもりだわ。さっき見つけた秘密をチラつかせればカナザワを黙らせることができるはずよ」
唇に人差し指を当て、不敵に笑う。
「さぁ、裏工作はこれで終了ね。私は絶対に捕まらない。必ずあんた達の疑いの目を欺いてみせるわ」
◇◆◇
「みんな、集まってくれてありがとう。…あんな後で顔を合わす気になれないだろうけど、あと5日はここに泊まらなければならない」
アオキの呼びかけでみんなで一度リビングに集まることになった。
なるべくカナザワとは関わりたくないので気が進まない…
カナザワがまた余計なことを言わなければいいけど。
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