第1章 4月5日 ホテル
もういい歳なろうという大人には見覚えの無い代物でもない。
棒状のものの先端が大きな円を描くようにうねうねと動いていて、その様は実物をみたことがなかった彼女にはひどく卑猥にみえた。
それに、二人の体は既に繋がっている。
『まずはこっちで』
嗤いを含んだ男の声を思い出した。
女がまさかと思うと同時に、一般的な男性のものよりは細身のそれを女の後ろにあてがわれた。
「やめ…そん、なッ…の、いや」
「普通のセックスじゃ楽しめないんだろ。 残念ながら俺のは一本しかないからこっちで我慢しとけよ…ホラ」
前のめりに固定するように腰をつかまれ、その瞬間に痛みが走った。
「あぁや、あぁぁッ! いっ」
半ば無理矢理に差し込まれていく。
それがずっぷりと女に呑み込まれて、何か言う前に再び男が体を揺すり始める。
「それとももう一人位必要だったとか?」
独りよがりな会話が女の悲鳴に掻き消された。
前を突かれ、後ろを掻き回される。