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あなたが愛してくれたら【R18】

第25章 6月7日 社内


出勤した小夜子は栄養ドリンクを2本ほど抱えてデスクについた。

PCの電源をONにしてからしばらく、セリー状の栄養補助飲料とドリンクを交互に口にしつつ先週の事を考えていた。


『自粛致します』


いくら怜治とああなったとはいえ、そう部長に言った以上、おおっぴらに一緒に帰るなんて事は出来ない。

ただ週末は一緒に過ごせる筈だから、私用の類いをなるべく平日にずらせばいい。

彼もその辺りで無理を言う人間ではないだろう。


「湊さん、見てください、コレ」


後輩が笑い出しそうな声で自分のPCを示してきた。


「何、いつもの社内広報じゃないの」


月に一度配信される内部用の社内広報。
社が関わっている商業的な芸術祭の内容から社内活動の一環としたサークルの活躍まで内容は様々だが、取り立てて見るほどのものはない。

後輩が指を指す、コラムの下に続く連載面に掲載されていた文字を読む。


「講演会の様子…と、ん?」

『イベントで見掛けた噂の二人』

そんなサブタイトルが付いている。
社内で二組のカップルを紹介していくコーナーらしい。


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