第1章 4月5日 ホテル
「いや…ゃあっ!ぁあ、い、イッちゃ…ぁッ…っあ! やだっぁ!」
「勝手に…ッけよ」
差し込まれた器具もそのままに、痙攣し続ける女の体を頃合いとばかりに多少手荒に上下に揺らす。
相手がどう感じるかなどは昇りつめようとするその時の、男の眼中になかった。
体を貪り合うだけの行為にそんなものは不要だと。
派手な水音は止まず激しいベッドの軋みと比例していた。
魂の入らぬ人形の様にかくかくと力の入らない女の体だったが、その頬に流れる涙と声、それに愛液は止めどなく溢れ続ける。
そんな様子の彼女にむしろ自分は応えたのだとさえ思い、男が高揚する。
そろそろいく、そんな男の切羽詰まった宣言と一緒にまた一回りも硬さを増していく。
ずっと達しているのか、何度も小刻みに達しているのか。
一層に貫かれ、それも分からない程の高みに強制的に押し上げられた女はそこで限界を迎え、とうとう意識を手放したのだった。