第12章 弟
「俺は女だからといって手加減はしない」
伊黒さんの稽古は障害物(縛られた隊士)にあてないように打ち込む太刀筋矯正の稽古だった
それはもう緊張で何度も何度も当ててしまった
ごめんなさい
本当に手加減してもらえないので5日たっても伊黒さんに攻撃を当てられなかった
ネチネチ嫌味を言われて心底ムカついたけど相手は柱
何も言えない
くそー!と思いながら7日目にはやっと伊黒さんの羽織に当てられた
「おまえはもういい。次に行け」
やっと終わった
この一週間辛かった
とぼとぼと次の屋敷に向かう
見慣れた風景
不死川邸だ
次は不死川さんの無限打ち込み稽古
無限?
無限ってなに?
やけに静かだなと思いながら屋敷に入るとゴロゴロ転がる隊士達
どうやら気絶しているようだ
「実弥さん、これはいったい...」
「来たかぁ」
やだ!不死川さんの目ギラギラしてる
怖っ
不死川さんとの稽古は永遠と続く打ち込み稽古
私と二人で手合わせした時はこんなにギラギラしてなかったし苛立ってなかった
きっと稽古から逃げ出した隊士に苛立ってるんだと思う
終わらない打ち合いに私は目が回る
最後の一撃で私は吹き飛ぶ
そして意識を無くした
目が覚めれば私は布団の中にいた
どうやら不死川さんが運んでくれたらしい
他の隊士はそこらで気絶してるのに
私が廊下に出ると誰かがいた
「炭治郎くん!」
「わわっみずきさん」
「何してるの?」
「今玄弥が」
ん?玄弥くんがなに?と思いながら一緒に覗き見るとそこには玄弥くんと不死川さんがいた
何やら話しているが聞く気がない様子の不死川さん
「そんな!俺鬼を食ってまできたのに!」
あ!ダメ玄弥くん!それ言ったら...
「今なんて言ったぁ」
ほら...