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想い人

第12章 弟


宇髄さんの稽古はひたすら走ることだった
元々体力が少ない私は結構しんどくてでも、他の人たちよりは前方を走っていた

「はぁ...っはぁ...」

バタバタと倒れて行く隊士たち
私は必死に走った
すると前に見覚えのある頭がある 

「玄弥くんっ」
「!みずきさんっ」
「あは!名前、覚えててくれたんだぁ」

私は嬉しくて笑顔になる

「そりゃ毎日様子見にきてくれてた人だから...」

玄弥くんも必死なのか汗がかなり出ている

「それにしてもこれっ、いつまで走るんだろうねっ」

ゴールが見えないというのは精神的にもやられる
薄らと見える人影

「宇髄さんだっ!」
「おー高重!結構余裕あるじゃねぇか」
「そう見えます?」

まぁ以前よりは体力がついている気もするが余裕なわけはない  

「高重も不死川の弟も次行っていいぞぉ」

ばたばた倒れて行く隊士達を後ろに私たちは宇髄さんの稽古を後にした
次は時透さんの高速移動の稽古だった
 
私は身軽な分スピードにも自信があった
それを時透さんも評価してくれ早々と稽古を終了した  
そして時透さんは玄弥くんに甘かった

「玄弥!君は速くはないけど遅いわけでもないから大丈夫!」

玄弥くんもまた早々と時透さんの稽古が終わったのだ

私たちは次の屋敷に向かう
ほんのり甘い香りが漂う

「あー!みずきちゃぁん!」
「甘露寺さんっ!」

私はご無沙汰してます、とお辞儀をした

「そんなかしこまらなくていいのよぉ!じゃいきましょ!」

私たちはそれぞれ布を渡された
これに着替えろということらしいのだが...

「なに、これ...」

それはレオタードなるものらしい
男女関係なく着用して稽古するのだ
甘露寺さんの稽古は力技による柔軟だった

体の柔らかさにも自信があったので然程きつくはなかったが
それよりも私は周りからの視線のほうがきつかった

「甘露寺さん〜これ恥ずかしいです」
「えー似合ってるわよぉ」
「そんなことじゃなくてぇ」

面積の少ない布を身に纏った私の身体は胸の形から尻の形までくっきりしているのだ

早く終わりたいっっ!
その思いで私は稽古に励んだ

「みずきちゃん!よく頑張りました〜」

甘露寺さんの稽古もなんとか終わることができたのだ
玄弥くんはというと身体が硬いのか苦労していた
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