第10章 想う
顔が赤くなるのがわかった
「おまえの言う特別ってなんだ」
「え...」
「俺と同じ気持ちなのか」
「それは...」
「...違う、のか」
自分の気持ちがわからなくて汗が出る
こんな時甘露寺さんみたいに好意を表現出来る人は凄いなと思った
「違うわけじゃないです。ただ...わからなくて」
「何がわからない」
「私の気持ちがわからないんです」
不死川さんは少し距離を置く
「好きと言う気持ちがどんなものかわからないんです」
俯く私
不死川さんは何も言わない
「確かに実弥さんにされたことは嫌じゃありませんでした。だからと言って誰にでもされていいわけでもありません。実弥さんは特別だから...昨日の夜も貴方のことが頭から離れなかった...実弥さんに触られるとそこから熱が伝わって心臓が速くなるんです。これがなんなのか...」
「おまえ...」
不死川さんは目を丸くする
「それって俺に好意があるってことじゃねぇのか?」
「え?そうなんですか?」
「あぁ...俺も同じだから」
不死川さんも私と同じだと言った
私のこの気持ちがわかってくれる
一緒なんだ
私は不死川さんが
好きなんだ