第1章 あなたを想う
不死川さんが何故か驚く
「お前冨岡とここ来てたのかよ」
「来てちゃ悪いんですか」
急に不機嫌になる不死川さん
「俺は帰る」
そう言ってお金を置いて帰ってしまった
「何を不機嫌になったんだろ」
「俺が高重と来ていたことが気に食わなかったのでは」
「それだけで?」
「不死川はそういう男だ」
「?」
普段から言葉が足りない冨岡さんだけど、今日はもっと足りない
「冨岡さんご一緒します?」
「そうしよう」
不死川さん帰っちゃったし
冨岡さん一人残すのもなんだかなぁと思って蕎麦をすするのをお茶を飲みながら眺めていた
「不死川はおはぎが好きらしいな」
「そうなんですよ、あんなお顔してるのにね」
ふふ、と笑えば冨岡さんも少しだけ微笑む
「さて、お蕎麦も食べたことだし帰りますか」
「そうだな」
私は冨岡さんと一緒に店の外に出た
ゆっくりしたせいか太陽は真上から少しだけ沈んでいた
「蝶屋敷に戻らなきゃ」
「仕事があるのか」
「そうですね、他の子に任せてきちゃったから」
少し残念そうにする冨岡さんだったけど仕事に戻らないと、と言えば「またな」と去って行ってしまった
「さぁて午後の仕事に戻るかぁ」
蝶屋敷に戻れば出かけていたしのぶさんも戻っていた
「みずきさんお出かけだったの?」
「不死川さんの様子を見に行ってそのままお昼を一緒にしてきました、途中で帰っちゃったけど」
「あら」
あの不死川さんが一緒にお食事を?と驚いた様子だった
「最近任務を一緒にするようになって少しずつだけど打ち解けてきたような感じですよ」
「まぁ!」
あの不死川がね〜と言いながらしのぶさんは部屋に戻って行った
「?なんだったんだろ」
まぁいいや、と私は持ち場にもどった
今日も怪我をした隊士の世話をする