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想い人

第4章 お誘い


「なんでよりによって冨岡なんかと来てやがんだぁ」
「冨岡さんからお誘いがあったのよ」
「あぁ!?んなもん着やがってぇ!めかしこんでんじゃねぇよ」
「まぁ!たまにはいいじゃないですか」
「冨岡なんかと一緒なのが気に食わねぇ!」

怒る不死川さんのもとにフラッと近寄る冨岡さん

「不死川、高重は今日俺と一緒にいる」
「見りゃぁわかんだよ!!」
「そうか」
「なんでてめぇも高重誘ってんだぁ!?」
「それは」

もごもごとする冨岡さん

「一緒に来たかったから」
「あぁん!?」

不死川さんは私の腕を強く引いて背後に隠す

「不死川さん痛いわ」
「高重は黙ってろぉ」
「っ!」

なんで私がまた怒られないといけないの!?

「離して」

眉を寄せ強い口調になる

「はぁ?」
「不死川さん勝手すぎるわ」
「なっ!?」
「冨岡さん行きましょ!」

私は冨岡さんの手首を掴んでグングン離れて行く

「まっ、待てやぁ」
「待ちません」

不死川さんを置いて私たちは縁日に戻った


「あ"ーーーくそっ」

不死川は頭を掻きむしった

「ムカつくッッッ」

くぅぅん

白い犬は悲しそうに鳴いた




「高重待ってくれ」
「なんですか」
「どこまで行くんだ」

気がつけば縁日が行われている神社から遠く離れてしまっていた

「っはぁ...」
「どうした」

冨岡さんが私の顔を覗き込む

「すいません、取り乱してしまって」
「不死川が原因か」
「彼はあまりにも勝手すぎます」

冨岡さんは何も言わない
 
「俺は今日楽しかった」

少しだけ口角を上げる冨岡さん
優しい顔だ

「私も楽しかったですよ」

微笑むと冨岡さんの手が私の頬を触る

「どうしました?」
「いや、優しく微笑むんだな」
「?楽しかったですから」

冨岡さんは手を離し

「帰るか」

と、1人歩き出した
私も後を追いかけて隣に並んだ
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