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想い人

第3章 鍛錬


「はぁ、はぁ...はぁ」

身体で呼吸を整える

「なかなか良かったぜぇ」
「それは、はぁ、どうも」

不死川さん、全然息が上がってない

技を連発して肺が痛い

「おら、飲めやぁ」

不死川さんは私に水を手渡してくれる

「あ、りがとう」

こんな強い鬼なかなか出くわしたことがない
私は十二鬼月と出会ったらやりあうことができるのだろうか

自身がなくなる

肩を落としていると不死川さんに頭を撫でられた

「おまえは強ぇよ」
「っ、」
「まだまだ強くなれる」
「、はい!」

私は不死川さんに一礼をした

「ありがとうございました」
「まぁ...また来いや」
「いいんですか?」
「あぁ」

不死川さんが珍しく来てもいいと言ってくれた
汗を拭いながら私は驚いた


「不死川さん、ありがとうございます」

私が微笑むと不死川さんはそっぽを向いてしまった



まだまだ強くなれる

その言葉がとても嬉しかった

帰り道私の足取りは軽かった





炭治郎くんも目を覚まし
機能回復訓練を始めることになった
善逸くんと伊之助くんは逃げ出していたけど、炭治郎くんがめげずに彼らを誘っていた

機能回復訓練
それは病み上がりには辛い訓練だった

逃げ出したい気持ちもわかるがそうもいかない

私は彼らを遠くで見守った



蝶屋敷に玄弥くんがやってきた
確か不死川さんの弟さんと聞いたけど

うん、目つきがそっくりだ

「玄弥くん」
「っ、」

赤くなる玄弥くん

「どうしたの熱でもあるの?」

額にピタリと手を伸ばせばのけぞる彼

「?」
「なんもないっす」
「そう?」

玄弥くんは大きくて体格に恵まれていた

「今日はどうしてここに?」
「少し怪我したんで連れてこられ、ました」
「そぉ」

右手を見ると包帯が巻かれていた

「もう処置をしてもらったのね」
「うす」
「がんばろうね」

にこりと微笑むとまた真っ赤になる玄弥くんは「それじゃ」と去ってしまう

「あー不死川さんのこと聞くの忘れてた」

行ってしまった彼の背中を見ながら思った
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