第3章 鍛錬
ガシガシと頭を掻く不死川さん
「ふぅ...じゃぁ私と手合わせ願えますか?」
「俺とかぁ」
「これはどの柱の方にもお願いしたことありません」
不死川さんを「特別」扱いすることにした
「胡蝶にもか?」
「えぇ、しのぶさんも忙しい方なので柱になってからはお願いしたことありませんね」
それに驚いたようで不死川さんも少し考えた
「明日俺の屋敷に来い」
「急ですね」
「明日は暇なんだ」
「そうですか」
何もかも不死川さんの言いなりな気もするが、もう言い合っても仕方がない
「わかりました。正午に伺いますので」
それじゃおやすみなさい
と一礼したら不死川さんは敷地内から消えていった
「難しい人だなぁ」
姿が見えなくなって一人呟いた
翌日 正午
約束通り不死川邸へと足を運ぶ
「来たかぁ」
縁側で座って待っていたのか私が屋敷に顔を出すとそう言った
「お待たせしました」
「おら」
不死川さんは竹刀を投げた渡してきた
それを両手で受け取る
「早速ですね」
「その為に来たんだろぉがぁ」
目の色変わってる
こうなると本気を出さないと怪我をしてしまうのがわかる
「では」
その合図と共に二人は姿を消す
カァァンッッッ
竹刀が重なり合い音を立てる
ギリギリと竹刀がしなる
カンカンカンと律動をかなでる竹刀のぶつかり合う音
私は不死川さんの速さについていく
「おらおらおらぁぁ!こんなもんじゃねぇぞぉ!」
「人変わってませんかぁ!?」
私が来た時は穏やかだった人が竹刀を持ったとたん人が変わる
いや、こちらが本性なのか
「っく」
「どうしたぁぁ!そんなんじゃ十二鬼月に勝てねぇぞぉ」
先日現れた十二鬼月への執着か
自分は巡り会えない苛立ちか
不死川さんは激しく打ち付けてくる
「っ、たぁぁッッッ!」
身体を捻り力一杯打ちつける
「ここ、狙ってこいやぁ」
自身の首を指差し挑発してくる
「っ」
そちらがその気なら
花の呼吸 弐ノ型 御影梅
連撃を繰り出す
しかし全て受けられてしまう
「こんなもんかぁぁ」
風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹
凄まじい風と共に攻撃が繰り出される
なんとか受け止められたが鋭い風が頬をかする
ピッと切れる頬
「っ!!」