第4章 第9章 風柱と那田蜘蛛山 586ページ付近
「君が選んでくれたのだから似合うに決まっている!さぁ、これを揺らしながら屋敷に帰ろう!風鈴がを待ってるぞ!」
「はい!杏寿郎君が大好きなのでお似合いになる物が、一目で分かるのかもしれません!後はお家に帰って風鈴を飾って……胸を貸していただきお茶を飲みながら……」
屋敷に帰ってからの予定を次々と口にするに吹き出しそうになりながら、杏寿郎は握った手を引っ張って……焦り走って来た道を今は穏やかな気持ちでゆっくりと戻って行く。
その間もの口から予定が永遠と繰り出されているが、所々に風鈴を眺めるが散りばめられているので、杏寿郎の顔にはその度に笑顔が深く刻まれていった。
その様子を空から首を傾げて見守る2人……いや、2羽の鎹鴉たちの姿。
「イッタイナンダッタンダ?エラクオダヤカニミエルガ……」
「そうデスネ……デモお2人ガ穏やかナラバ私ハ嬉しいデス!さ、私たちモ家に戻り、風鈴ナルモノを拝見させてイタダキマショウ!」
要と神久夜はお騒がせな相方たちの姿を見守りながら空でそれぞれ一声鳴くと、笑顔溢れる2人の後を追って羽をふわりと羽ばたかせた。