第16章 再会
春。
とある大学の入口付近ではこれからやって来る新入生の話で持ち切りとなっていた。
そんな中、金の髪に毛先が赫のパッと見ただけで目立つ青年が1人辺りを見回している。
「ふむ、約束の時間より早く到着してしまったか。どうしたものか」
どうやら友人と待ち合わせをしているらしい。
しかし早く待ち合わせ場所に到着して暇を持て余しているのか、サークルに勧誘しようと息巻いている生徒たちを観察しだした。
「大正時代の剣士と鬼を探る研究会に来る者など鬼殺隊の転生者しかいないと思うが……あの子は来るのだろうか?」
かく言う青年もサークル……研究会へ新入生を勧誘するためにここに来ているようだ。
青年の言葉通り、ここには青年が所属している研究会の他のメンバーはおらず、活動人数が他のサークルに比べて少ないことが伺える。
あまりにも特殊な研究会且つ限定的故の少なさなのだろう。
「元柱はここで奇跡的に揃った。あとは君……だけ」
探し人を探すかのように門の入口へ青年が視線を移すと……目を見開き時間を止めた。
視線の先には銀色の髪をハーフアップにした少女の姿。
それを視界に入れた一瞬後、炎のような瞳に薄ら涙を滲ませ笑顔で駆け出した。