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月夜の欠片

第16章 再会


演武は脈々と受け継がれており、杏寿郎やが共に練習し皆の前で披露した時と寸分違わず、炎の残影まで継承してくれている。

朱莉の子供が紫炎を、紅寿郎の子供が炎の技を見事に繰り出してくれていると、杏寿郎の脳裏にと鬼狩りに駆けずり回った日々が巡った。

(、君も見ているか?鬼を滅するための技がこんなにも見事に受け継がれている。2つの型とも筋力が必要不可欠にも関わらずだ。俺たちの想いは途絶えていないぞ)

家族たちに周りを囲ってもらいながら思いを巡らせていると、唯一家族が寄り添っていない背中に涙が出そうになるほど懐かしい温かさが広がった。

「久しいな。ほら、次は共に考え編み出した紫炎の奥義……雪月風火だ。鬼殺隊隊士は確かに息づいていたのだと、そこにいたのだと証明されている」

杏寿郎の独り言に朱莉と紅寿郎は胸に痛みを覚えながらも深い笑みを浮かべ、曾孫たちはどうしたのかと首をかしげながら杏寿郎を見つめている。

その皆の顔は杏寿郎との血縁者だと一目見て分かるほどで、自分たちの血の強さに思わず笑いが込み上げた。

そうこうしていると杏寿郎の耳に2つの奥義名が届いた。

するとそれと同時に力強く激しい炎と柔らかくこの場の者たちを包み込むような微細な橙の粒子が、勢いよく杏寿郎の体に迫り寄ってくる。

「綺麗だ。……綺麗だな」

『はい。杏寿郎君、すごく綺麗ですね』
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