第12章 好きなもの
「存じております!屋敷の奥方様や男性に聞いたことがあります!確か……土俵というものの上に男性が2人見合って構え、素手で激しく打ち合うものですよね?」
2人からの僅かな情報は鬼殺隊にいたによって物騒な競技に変わってしまった。
それでもあながち間違ってはいないので、杏寿郎は頬を緩ませたままの中の相撲という競技の認識を更新させることにした。
「そうだな!相手を土俵の上から押し出すか足の裏以外を付けさせれば勝ちとなる!見に行くのもいいが、よく子供も相撲の真似事をして遊んだりしているので、宇髄や不死川……鬼殺隊に属していた者たちを誘って勝負してみるのも面白いかもしれんな!」
「勝敗の決め方は初めて知りました!確かにその勝敗の付け方ならばお庭でも楽しめそうです!お家に帰ったら皆さんにお手紙をしたためましょう!私が参加出来ないのが少し残念です」
私も参加したいです!
と言わなくなっただけ危機管理能力は上がったのだろうが、それはさて置き本人たちの罷り知らぬところで相撲大会が計画されては仲間たちもたまったもんじゃないはずだ。
しかし盛り上がってしまった2人を止めるものは誰もいない。
「腕相撲大会以来の催しになるぞ!しっかり計画を立てなくてはな!君はまたの機会に俺が相手をしてやる!」
2人が計画をするとおそらくそれは現実となってしまうのだろう……
能楽が始まるまで相撲大会の計画は綿密に立てられていくこととなった。