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月夜の欠片

第8章 第26章 月と太陽(1874~1878ページ)


花火の季節も終わりを迎え涼しくなってきた頃、神久夜からへ無情な知らせが届けられた。

その知らせは柱や各呼吸の代表者にも届けられたので、もちろん杏寿郎も要から受け取っている。

「……大丈夫か?」

「はい……ただ私の苦手分野が舞い込んでくるとは夢にも思っておらず。体を動かすのは好きですが、どうにも音楽に関しましては才能が皆無のようで」

杏寿郎が心配になるほど、は神久夜から受け取った手紙を冷や汗を流しながら何度も読み返していた。

何度読み返そうとも内容が変化するはずもない。

「そう言えば甘露寺の柱稽古が1番手こずったと言っていたな!しかし指切りげんまんは外すことなく歌えていたぞ?」

未だに手紙を凝視しているにつられて、杏寿郎も自分に届けられた手紙に視線を落とす。

内容は至って簡潔。
春に産屋敷邸にて各呼吸の演武を2人1組で舞うことが決定したので、産屋敷から派遣される振付師に教授願い呼吸の型を交えながら踊れるようにしていてくれ……というものだ。

杏寿郎は特に音楽に対して苦手意識を持ったことがないので、残念ながらの気持ちは分かってやれない。
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