第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
途切れてしまいそうな意識を2人は必死に保ち、杏寿郎は体制を崩して布団へコロンと転がって近くに置いてあった手拭いを手繰り寄せ、腹の上に吐き出してしまった欲をそっと拭い取った。
そうして未だに小さく震える体を強く抱き寄せて、自身の胸元へと誘う。
「、平気か?よく頑張ってくれた」
「んっ……平気、です。杏寿郎君は?」
顔を動かす力さえ出ないのか、布団に体を沈みこませ完全に杏寿郎の体に身を委ねがらも杏寿郎の体を気遣った。
「それならばよかった。俺も平気だが……痛みはないか?途中、無理をさせてしまっただろう?」
こちらもこちらでが平気だと答えているのに心配なのだろう、壊れ物を扱うかの如く頭を滑る手は優しく、の意識や体を浮上させていく。
「痛みは……ほんの少しだけです。それに無理を強いられた記憶はありません。ずっと今も幸せな気持ちだけです。もっと杏寿郎君のことが愛おしくなりました」
緩慢な動きでゆるりと杏寿郎の胸元から顔を動かし、不安げに眉を下げた杏寿郎へ笑顔を向けて、戻って来た力を使い背中へと腕を回した。
「すごく……その、気持ちよかった……です。驚くくらいに」