第1章 ※月夜の軌跡 9章
「ありがとう、。だが見ても大丈夫か?」
「大丈夫です。杏寿郎君の全てが大好きですから」
ふわりと微笑むとはゴソゴソと手を動かして褌を解いていくが、その手つきがたどたどしいの何の……
一生懸命なので表沙汰に笑うことはしなかったが、思わず杏寿郎が眉を下げて笑みを浮かべるほどだ。
そうしてどうにか解き終え、それを目にしたの動きが止まった。
「驚いたか?」
「はい、その……本当に入るのかなって」
その後もジッと見続けるので、杏寿郎はの顎を掬い上げ視線を自分の顔へと向けさせた。
「そんなに見なくていい。手拭いを用意するのでいい子で待っていなさい」
そう言って杏寿郎は枕元に置いてある手拭いを取ろうと体を少し上にずらしたまではよかったものの、いい子で待っているはずのの手が昂ったモノに触れビクリと体が痙攣した。
「なっ……にをしているんだ?!」
「すみません!近くに来たのでつい……」
つい……ではない。
この末恐ろしい少女の行動に小さく息を漏らしながら、杏寿郎は手拭いを布団に敷きほんの少し反省しているの顔を覗き込んだ。
「いい子にしていなさいと言ったのに……いいか?これを手で掴み、上下に動かすだけでいい。出来そうか?」
「はい」