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月夜の欠片

第6章 第26章 月と太陽 1873ページより


スポンと杏寿郎の腕から抜け出したは母屋の玄関へ走ろうと足を踏み出すも、もう一歩足を前に出す前に杏寿郎によって止められてしまった。

「待て待て、君一人だと全てを運べないだろう?宇髄と皆を居間へ案内して共に準備をしよう」

「でも……天元君は皆さんと初対面ですし、杏寿郎君がいなければ互いに緊張してしまうのではないでしょうか?」

門下生たちはともかく、天元が人見知りするとは思えないし緊張するなんてもっと考えられない。
それは天元本人が1番感じたことだった。

「姫さん、俺が緊張なんてすると思うか?茶と菓子の準備をさせちまうのは悪ぃが煉獄と2人でして来てくれ。妹1人にさせるなんざ……不死川に知られた日には何言われるか分かったもんじゃねぇからな」

今までが柱たちとどんな関係を築いて来たのかを知らない門下生の頭の中は大混乱である。

姫と呼ばれているかと思えば妹だと主張され、もう誰がの夫で誰が兄なのか……考え出せばキリがないとそれぞれが諦めてに視線を向ける。

「師範代、俺たちのことは気にしないで下さい。俺たちは宇髄さんの話聞いて待ってますんで。お茶とお菓子をいただけるだけで十分有難いですから」
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