第6章 第26章 月と太陽 1873ページより
それから昼休憩を挟んで夕陽へと太陽が色を変える頃、杏寿郎はもちろんの尽きることの無い体力に門下生たちが度肝を抜かれながら帰り支度を進めていた。
そこへ2人にとってお馴染みの、門下生にとっては初対面ながらも嫉妬の対象となるような体格と顔の造りに恵まれた男……天元が道場の前へと姿を現した。
「煉獄、姫さん、数日ぶり!おっ、早速お前ら仕事してんのか!相変わらず真面目だな!門下生ども、姫さんの雰囲気だけ見て舐めてかかっと手痛いしっぺ返し食らうから、気ぃ引き締めていけよ!なんてったって姫さんは炎柱と音柱であるこの宇髄天元様によって鍛えられてんだからな!」
もう既にの強さを見せられたのでその強さは知るところである。
しかしそれよりも門下生たちの心を掻き乱す単語に気を全て持っていかれた。
『姫さんって何?!師範代は誰の妻なんだよ?!』
その空気をいち早く感じ取ったのは杏寿郎。
は自分の妻だと再認識させるために声を張り上げる。
「は俺の妻だ!宇髄がを姫と呼ぶのは、俺にとってがお姫様なので姫と呼んでいる!もう今更呼び方を変えることは不可能なので慣れてくれ!して宇髄、いつもの事だが突然どうした?遊びに来てくれたのか?」