第2章 プロローグ
ある日突然賢者として魔法の存在する異世界に呼び出された晶
呼び出された途端兵士に追いかけられたり、空を飛んで逃げたり、魔法舎に火を放たれたたりと様々な事があったものの、無事に賢者の魔法使い21人揃い慌しくも各国からの依頼をこなす日々が続いていた
かつてドラモンドの命令を受け賢者と魔法使いの邪魔をしてきた中央の国の書記官クックロビンも、今や賢者を支える大切な仲間となっていた
各地からの依頼の書が山積みになっている部屋で晶は優先すべき内容の依頼の仕分けをしていた
ク「賢者様〜、新しく依頼がはいりました」
晶「新しい依頼……ですか?そこに置いておいてください、これを見終わったら確認しますね」
元の世界でも社畜気味であった晶は手馴れた様子でひと山分の書類を分けていく
晶「お待たせしてすみません、今確認しますね 」
晶とクックロビンは1枚の依頼の文字を真剣に目で追っていく
晶「なるほど……満月の夜になると村の男達が皆居なくなる、ですか。これは確かに緊急案件ですね」
ク「今までそんなことはなく今年から、というのと満月の夜に、という辺り厄災の影響の可能性が高いですね」
晶「そうですね、場所は……東の国ですか。行けそうな方々に声をかけてみます」
そう言いながら晶は立ち上がり、急ぎ足で扉を開けた
晶が扉を開け足を踏み出すとドンッと音を立てて誰かにぶつかった
ネロ「うおっ、わりぃ賢者さん。怪我はねぇか?」
晶「いえ、こちらこそすみません。それより僕に何か用事ですか?」
扉の前に居たのは魔法舎の料理担当ことネロだった
ネロ「いや、レモンパイを作ったからな。賢者さんにもどうかと思って……」
晶「そうなんですね、丁度キリが着いたことろだったので頂きます」
ネロ「そりゃ良かったよ、他の奴らも居るが張り切って作りすぎちまったからさ。これで余らせずにすむ」
ふと思い出したように晶は部屋を振り返り中で書類を整えているクックロビンにも声をかけた
晶「クックロビンさんも一緒に如何ですか?ネロの作る料理はなんでも美味しいんですよ」
ク「いえ、この後直ぐに中央の城に戻らなければならないので……せっかく誘って頂いたのにすみません」
晶「そうですか、それではお先に失礼しますね」