第1章 始まりの声
今日も1日何も変化なく1日が終わるはずだった。
大学に行って、講義受けて、友達と話して、バイト行って、くたくたになって帰って、年の離れた弟と遊んで、夕御飯食べて、お風呂に入って寝る。
特に充実した日々、と言うわけではないが、これが“当たり前”で“日常”だった。それなのに、それなのに、この白い空間はなんだろう。目の前の黒い人形はなんだろう。
何十もの重なる不気味な声で人形は言う。“俺はお前”だと。“神”だと。“世界”だと。
その後もつらつらと言っていたようなきもするが、簡潔に言えば、“全”であり、“一”でいるそうだ