第3章 セッ〇スしないと出られない
『 セックスしないと出られない 』
無機質な部屋のドアに書かれたその字を見て
私と相澤先生は頭を抱えていた。
「相澤先生…私たちさっきまでみんなと一緒にいましたよね…」
そう聞くと相澤先生は俯きながら頷いた。
私たちは先程まで1年A組の皆と共に行動していた。
だけどいつの間にかこんな部屋に…
「…み、みんなも同じ状況になってるんでしょうか」
「…どこからも音が聞こえないことを考えると、何とも言えないな」
そう答えると相澤先生は考え事を始めてしまった。
(ああ、先生めちゃくちゃイライラしてる……)
そりゃそうだよね…みんなの安否も分からないし…
見た所この部屋から出る方法は見つからないし
そう考え私は口を開いた。
「相澤先生、私ならべつにしてもいいですよ」
先生は驚いた顔をしてこちらを見る。
「いや、何言ってんだお前、いい訳ないだろ」
そう言って先程よりも焦っているようだった。
「…だ、だってこのままこの部屋に居続けることに意味はないですよね。現時点ではこれが最善策なんじゃないかと思って…」
先生の顔色を伺うが、相澤先生は黙ったままだ。
「私なら大丈夫です!したことないけど…、みんなも心配だし!」
続けて言うと先生は私の顔を見て、「悪いな」と申し訳なさそうに言った。
「…確かにこの状況、まず部屋を出ないことには仕方ない…悪いが少しだけ我慢してくれ」
そう言って先生は私の頭を撫でた。