第2章 暗殺者の上手な愛でかた壊しかた
「………痛い」
全身が、痛い。
腰が激痛。
少しでもうつ伏せから動くだけで。
腰に電流が、走る。
「…………」
なんで。
あたしこんなに満身創痍なのに。
あたしよりずっとずっと疲れてるはずの教授の方がこんなに艶やかなの。
元気なの。
「しばらくは外出出来ませんね」
「………」
そしてなぜそこ、嬉しそうなの。
「そんな傷だらけの体、無様に晒したくないでしょう?」
「!!」
もしかして。
「……教授があたしにした仕打ち隠すためにわざと?」
「まさか。時雨がかわいすぎて止まらなくなった結果です」
にこりと微笑む教授はやっぱり悪魔にしか、見えない。
「時雨を壊せるのは、私の特権ですから」
何そのワケわかんない権利。
あげた覚えもそんな権利作った覚えもないけど。
「しばらくおとなしくしていることですね、時雨」
「…………死にたい」
動かない体ごと、教授の匂いが色濃く残る枕へと。
突っ伏した。
【完】