第1章 Sweet Finder
1週間が経った。そろそろ桃乃ちゃんの生活習慣が把握できる頃合だ。
このぐらいから僕の母親の様子が変わる。
「あんた毎日出掛けて・・・働く気になったのかい?お母さん嬉しいよ。」
こんなに嬉しそうに笑うババアは初めて見た。穀潰しがいなくなるからってニヤニヤしやがって。そんなに僕が憎いのか。
大体、働いてたら桃乃ちゃんの写真を撮れなくなるじゃないか。
「これ、就職に役立てて!」
不機嫌な僕を無視して、ババアは金を差し出した。なんと諭吉さんが5人。
「交通費とかかかるだろ?足りなくなったらお言い。」
ババアのくせにグッジョブ!僕は金を受け取るとすぐさま電気屋に走った。
これで一眼レフをゲットだぜ。