第1章 Sweet Finder
桃乃ちゃんとの出会いは2ヶ月前の駅前だった。
久しぶりに外出したと思ったら、駅前でガキにぶつかられて、僕は荷物をぶちまけた。
僕みたいなキモオタヒキニートに手を差し伸べるような奴がいるはずなく、僕はみすぼらしく地面に這いつくばって荷物を集めていた。
「大丈夫ですか?」
そこに振って来た天使の声。
彼女は僕の落としたPSPを拾い、笑顔で手渡してくれた。
「あ、あぅ・・・。」
久しぶりに出した声は上手く喉を通らず、自分でも驚く程気持ち悪い奴に成り下がっていた。
でもそんな僕に彼女は微笑みかけてくれた。
社会なんて嫌いだった。
だから二次元に逃げて来た。
なのに彼女はパソコン画面より輝いて見えた。