第14章 互いに欲しかったもの…(宗さに)※R18裏
時々懐かしい夢をみた…
それは僕が刀だった時の記憶…
でも深くは思い出せない…
思い出そうとすると霧が一層深くなり、周りが一瞬にして見えなくなった。
誰かの泣き叫ぶ声と救い出そうと自身の手を伸ばしてもあと一歩届かず…掴みきれなかった手を見つめ拳を固く握りしめた…。
そこでいつも目が覚めた…。
…居場所を求めていた
自分の素顔を出せる場所など限られていた。
同じく刀だった時の記憶のある兄弟と仲間の前だけで…。
僕の地位と財力だけに目が眩み近づいて来る女が絶えなかった。
そんな事分かっているがいつも悪夢に魘されるのが嫌で日々使い捨て同然で女と過ごしていく…そう、貴方と出会うまでは…。
***
最初の印象は最悪だった。
社長の御曹司だからって、まずは態度がでかい、こっちが意見しようものなら具体案を出さないと全て切り捨てられた。
寝る間を惜しんで考えたものも全て水の泡だった。
でもそういう物怖じしないところが格好良いとか密かに人気があり、容姿端麗…日本人とは少しかけ離れてるオッドアイの瞳にピンク色の髪の毛は一際目を惹いた。
何故か仕事の依頼を指名される事が増えてる…。
訳が分からない…。気に入られてる??そんなまさか…。
そう思い仕事の打ち合わせをしている御曹司である宗三に視線を向けると…
「なんですか??
僕に何か付いていますか??」
『いいえ、何もないですよ
他に何かご質問はありますか??』
「…じゃあ一つだけ聞きたい事が…」
『はい、何でしょうか??』
「貴方はお付き合いしてる人は居るんでしょうか??」
『ふぁい!?
それが今回の仕事と関係あるんでしょうか??』
「仕事とは関係ありませんが、僕の個人的に興味があるですよ…貴方に…」
(こんなの絶対に違う、からかわれてるだけだ…)
『わたしと付き合いたいとか仰るんですか??』
「えぇ…そうですね、お受けしてもらえませんか??」
『……それは、お
「如月さんと御曹司が付き合うらしいぞ!?」
「やだぁ、御曹司狙ってたのに…ショック…」
(なんで返事かえす前に聞かれるかな…こんなの断れないじゃん…
聞き耳立てられてたのね…)