第13章 この感情に名前を付けるなら…(宗さに)※R18裏
手入れ部屋で審神者と別れたあとの宗三は一人、妙な気分になる。
身体が熱い…しかも自分自身で嫌でも分かってしまう…
何もしていないのに少し硬くなってる…
はぁ…と溜め息を付き、矢を受けた代償が媚薬である事を悟った…。
宗三は熱を鎮める事をせず、最悪の事態に備えて…ある行動を起こす。
「お小夜、今日から二日間…寝室を共に出来ませんが…心配しないで下さいね…」
「宗三兄さま…、どこか具合でも…??」
「移るかもしれないので、念の為ですよ」
「江雪兄さまと二人で…待ってます」
「沢山甘えて下さいね…お小夜」
次は加州のところに向かう…
「なんで客間の鍵が必要なの??」
「少し主と距離を置きたいと言いますか…ドレスコードも頼みましたよ」
「あ~…うん、分かった。これ、鍵…」
「誰も近づけないように言って頂けますか??」
「任せといて、何か困ったら相談して」
「ありがとうございます」
***
事情を伝えるべき相手には伝え終わった筈…。
客間の奥の離れ部屋へ一人足早に移動する。
ハ~…ハ~……と息が漏れる…
硬さもどんどん増してて気持ちが悪い、出したい、出したいと言う欲が頭の中を巡る…
必死で堪えながら…鍵を開けて、
なるべく一番玄関から遠い部屋へ目指して…なんとか部屋へ辿り着くと
宗三は自身の硬くなった牡根を手で握り少し汲みあげると透明な前触れ液がじんわりと出る。
これは厄介なやつですね…。
出れない部屋で味わった快楽を思い出し、一人…唇を噛みしめて己の欲望と葛藤する。
出れない部屋での媚薬の効果は審神者の記憶からは抜け落ちて…心の声の事は知らないのも無理はないが…発言の全てを…抱かれた事を覚えていなかった…。
あんなに気持ち良かったのに、僕一人しか覚えていないなんて悔しい…。
覚えていて欲しかった、素直で自分の事を求める貴方が愛らしいと思えたから…。
何も知らない貴方を見てると…抱きたい…怖がらせたくない…裏表な感情がぐるぐる巡って…困らせたくなかった。