第11章 ○○しないと出れない部屋(宗さに)※R18裏
―――とある日の昼下がり、審神者は一目惚れしたワンピースを自室で試着をする。
後ろファスナーを姿見出来る鏡を目の前に上げようとするが思うように上がらない。
(上手く上げれないな…誰か来てくれないかな…?)
廊下の足音が徐々に近づいてくる、審神者の部屋の前でその音が止まり…扉をコンコンとノックされる。
『はーい、誰??』
「僕です…入っても大丈夫でしょうか?」
『宗三!! ちょうど良かった、今一人? 誰も居ない?』
「そんな一度に話さないで下さい…一人ですよ」
カチャリと鍵を開ける音の後に、扉を開けて宗三の手首を掴み部屋へと招き入れる。
『突然ごめんね?
後ろのファスナー上げようとしたんだけど上手く上げれなくて…宗三に上げて貰いたいなって思って…ダメ?』
「はぁ…僕じゃなかったらどうするつもりだったんですか?」
審神者の後ろに立って宗三はファスナーに手をかけて上げて行く。
『ありがとう、助かったー
えっ? ファスナーぐらい他の子でも大丈夫かなって思ったんだけど声で宗三だって分かったから開けたんだよ』
「貴方のそういうところが危機感ないんですよね…」
『何か言った??』
「いいえ、何も…ないですよ
そんな綺麗な格好してどうするのですか?」
『これっ? 乱ちゃんが"ヘアアレンジの練習したいから、いつもと違う格好して来て"って言われたの
結構待たせてるから行ってくるね』
「この服の山を置いてですか…?」
『あとで片付けるから! 置いといてー』
そう言い残し足早に部屋を後にする審神者を見送ると…
鍵を掛けるようにいつも言ってるのに、掛けて行かずに…僕に片付けさせる為にわざとですかね…?
全く仕方ないですね…。
部屋に散らかしてる服を拾い上げ、収納して行く宗三。
一通り綺麗にしてから審神者の部屋を後にする。
***
審神者は乱のところへと急いで行く。
「あるじさん、もう遅いよー」
『ごめんね、待ったよね?』
「待ったけど、可愛い格好だから許しちゃうよ!」
『ありがとう、じゃあお願いね』
乱が審神者の髪を櫛で解かし、編み込みして行く。
ワンピースの胸元がVの形をしているので髪の毛をアップにすると首元とうなじが綺麗に映えるよなって思いながら手早く済ませる。